312人が本棚に入れています
本棚に追加
それを聞いて
仕方ない といった感じでジュンは俺につきつけてた刃物をしまった。
やっと一安心だ。
しかしまだ状況は最悪。
「ま、いいわ。とりあえず兄ちゃん、俺らの手伝いしてくれや」
角刈りの男が言った。
俺は考えているフリをして黙った。
「手伝いっつっても本格的にA会に入れってことじゃないけん。 ただ俺らの仕事をちょっと手伝ってくれればいいっちゃん。」
男はさっきより丁寧に言った。
「うーん…」
俺はまだ考えているフリをしながら唸った。
17歳でヤクザの真似事なんかしたくない。
しかしヤクザを舐めてしまった(と思われた)以上ケジメは必ずとらされる。
何事もなかったように終わるなんて有り得ないことはわかっていた。
その時 また他の場所から人の声がした。
「ぉー、どうしたん?」
俺の周りを取り囲むように ジュン達の仲間らしき人達が2、3人集まってきた。
全身スーツの集団が俺を囲んでこっちを見ている。
新しく来た男の一人が
「どういうことになっとるん?」
と聞いたので 角刈りの男が状況を説明した。
説明が終わると集団全員が俺を見た。
最初のコメントを投稿しよう!