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企業舎弟
「んじゃ兄ちゃんは俺の企業舎弟になれ」
先ほど来たばかりの大柄な男が命令口調で言った。
すると角刈りの男が
「いや、俺が最初に話つけたんやけん俺の下につけるべきやろ」
と、大柄の男に意見した。
二人は一瞬お互いを見た後、俺を置いて 少し離れた場所でどっちが俺を下で働かせるかを話し合い出した。
企業舎弟の意味はわからなかったが どうやらヤクザってのは自分の下に子分をつけると有益らしい。
二人は5分ほど話し合った後 俺の元に来た。
「兄ちゃん名前は?」
突然大柄な男に名前を聞かれた。
「遼平です」
「ほんなら遼平は今日から俺の企業舎弟やけぇ!俺は徳川。 よろしくな」
大柄な男は気さくな感じで言った。
同時にたった今から俺は徳川の企業舎弟ってやつになってしまった。
「よろしくお願いします。徳川さん」
「徳川さんやなくて トクちゃんかトクさんでええわ」
俺は相槌をうち、続けて質問しようと思って口を開きかけたが
徳川が ついてこい といった感じの手振りをして歩きだしたので そのままついて行った。
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