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足枷から伸びている鎖は長くて、その先端が金具でベッドの足に繋がれている。
「もー! 何なのこれ?」
取り敢えず力いっぱい引っ張らみたけど、頑丈なそれはびくともしない。
「嘘……」
心臓がドクドクと脈打つのを感じる。
なんで。なんで?
これは何?
どうして私にこんなものが?
息を吸い込んで、無理矢理気持ちを落ち着かせる。
焦っちゃ駄目だ。
冷静に考えなくちゃ。
……あ、もしかして!
目が覚めたつもりでいたけど、まだ私は寝ていて夢でも見てるのかも。
だって現実に、こんな意味の分からない事が起きるはず無いじゃない。
知らない間に拘束されるなんて、普段の生活では有り得ない。
そんな期待を込めて頬を引っ張ってみたけれど、確かな痛みが残っただけだった。
……夢じゃないんだ……。
私は溜め息を吐いて、部屋を見回す。
そして、ある事に気付いた。
「ここ、どこ……!?」
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