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トイレでメイクを直していると、アヤカがやってきた。
「楽しんでる~?」
頬が赤く染まってちょっとバカっぽい喋り方になっても、アヤカはやっぱりきれい。
大人っぽいきれいさの中に可愛らしさも共存していて、なにより誰に対しても明るくいられる。
「ヒカリ、なんかツヨシくんといい感じっぽくない?」
ツヨシくん?
あたしはまつげにマスカラを塗りながら一瞬考えた。
あぁ、隣の彼か。
「どうかなぁ。
まだわかんな」
「ごまかしちゃって!
ずっとふたりで喋ってるじゃん。」
不意に肩を叩かれて、マスカラを持つ手がビクッと震えた。
「あ!ごめんね!
だいじょうぶ??」
アヤカは心配そうにあたしの顔を覗き込んだ。
その可愛い上目遣い。
やっぱアヤカは違うなぁ。
「私マサトくん狙いだからよろしく~」
アヤカはそう言うと個室に入って行った。
「オッケー」
マサトくんて、どの人だ?
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