悪の教科書 Textbook Of Evil

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いつもは始業時間ギリギリで来る生徒が、今日は遅刻してやってきた。 ・・・それだけのこと。 そう、それだけのこと。何の変化もない日常。 今現在も、僕はカバンから教科書を取り出し、 急いで席につこうとしている。 そう思っている。 みんな、そう思っている。とても都合が良い。 カバンの中に手を突っ込んだまま、 チラリと隣の席に目をやった。 そこに座っている男子生徒───石岡くんが、 相変わらず不機嫌そうな顔つきで睨み返してくる。 ウザい。早く座れ。そう言わんばかりだ。 あはは、怒ることはないよ、石岡くん。 君はこれから何が起こるのか知らない。永遠に分からない。 なんてったって・・・そう・・・君が最初なんだから。
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