サイレン

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「怠…お前さ自分で何もかも詰め込みすぎなんだよ…」 「え?」 怠は竜の言葉にたじろいだ。こんなに心配そうな顔をされたのは初めてだったからだ。 「わ…わかったよ」 怠は渋々休憩を取る事を許した。 すると、竜が驚いた顔で 「素直じゃん」 冗談混じりで言うと怠が 「お前のその見た事ない心配した顔だったからだよ」 怠は素直にそう答えた。別に恥ずかしくはなかった。 本当の事なんだから 「そっか」 と竜は優しく微笑んで怠の額に手を当てた。 「熱ないな」 「どういう意味じゃっ!」 怠は竜の頭を平手で思いっ切り叩いた。 「いったぁ~そんな強くすんなよ冗談だよ冗談」 竜は危機的状況にも関わらずヘラヘラと笑っていた。 竜とは長い付き合いでいつも馬鹿な事して二人で笑った記憶が鮮明に残っている 竜は一応不良で喧嘩も強かった。万引きや煙草 それが多かった。二人が初めて出会ったのが中学生の頃だ。初めに話しかけたのは怠だった。 俺は稲垣 怠 怠てっ呼んでくれ と手を竜に出したのだ。竜は今まで友達がいなかった。同じ不良の仲間でさえ近付かなかった。 しかし、怠は違った。ゆういつ、竜にだけあいさつをしたのだ。 それは自分でも分からないらしいでも本人は直感だと言う そして、二人は徐々に信頼関係を高めて万引きや煙草に手をだし馬鹿ばかりして遊んでいた。 そして、二人は一緒の大学に進みこの二人と出会い仲間ができていったのだ。 今では本当に不良なのかと疑ってしまうくらいだ。大学にも受かったしそこそこ頭がいいやればできる そういう奴なのだ。竜は そして、そうこうしている内に30分休憩をした。 「よし、もう大丈夫だ。動けるよ」 怠は竜に優しく微笑んでみせた。 「よしっ!いくか?」 竜が聞いてくると5人は軽く頷いた。 午後10:38 6人はまた静かに動きだした。
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