非日常的

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非日常的

「く…」 操縦者は仕方なくそのくろずくめの男の命令を渋々受け入れた。 すると、機内アナウンスが入ってきた (今私達の飛行機はジャックされました。そして、着陸をするのでシートベルトをきっちりつけてください) と流れ出した。それを聞いていた客達は ザワザワとどよめき始めた。 「うるせぇ!!だまれ!!!ころされてぇのか!」 くろずくめの一人の男がそう叫ぶと機内はシー…ンと静まり返った。 「恐いよ…」 と隣りの席にいた美希が呟くと由希も 「お兄ちゃん…」 と語尾を震わせながら怠に呟くと怠は黙って頭を撫でて 「大丈夫…大丈夫だ」 怠はそう言うしかなにもなかった。かと言って本当に大丈夫ではない…もしかすると死ぬかもしれないんだから いや…!駄目だ!俺が死んでも妹…由希だけでも生きて返さないといけない!お袋があんな状態になった時に誓った筈だ!! 絶対皆を守るって… 「…」 怠の脳裏ではそれが駆け巡りついには足を揺すり始めた 「先生…」 「先生!」 と怠と同じ大学で研修行くはずだった大学生はゆういつ先生がたよりだった。 しかし、先生は 大丈夫…大丈夫… と家族の写真をみて呟いているだけでまるで自分に言い聞かせてるようだった。 そして、またアナウンスが流れた 着陸します その一言だった 怠の不安がつのり 遂には頂点まで達した。 ゴォォ という飛行機が着陸態勢に入った音が伺えた そして… ズゥン キキキィ と飛行機は無事着陸された。怠はそっと胸を撫で下ろした。しかし、不安はまだまだ続く このあとだ。 このあとどうなるのか… 怠にはまったく予想も付かなかった。 すると、後ろから 「怠!怠!」 と小さく囁く様に竜が怠を呼んでいた。 「え?ああ、わりぃ…」 竜の声で怠は我に戻ると 「なんだ…?」 「俺達どうなるんだ…」 と竜が今までみせた事ない不安な顔をしていたのだ。 そんなの俺がしるわけないだろっ! と怒鳴ってやりたかったが竜の見た事ない不安の顔をみてしまって 言うにも言えなかった。 そして、くろずくめの男が 「おい!全員飛行機からでるんだ!もたもたするな!」 とくろずくめの男達は怠達を含め全員を外へと出した。
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