非日常的

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「なにって…サイレンとめに行くんでしょ?」 憲二が言うと怠は思い出した様に 「あ…あっそうですね」 怠は使い慣れない敬語をギクシャクしながら憲二に言った。 「別に敬語はつかわなくていいよ気楽にいこう!いこう!」 と憲二は何故かこの危機的状況を微塵も感じさせない気分が上がりっ放しだった。 しかし、この気分もやがては潰れていく事はまだ誰もが予想もつかない… 「それにしても…砦が見つからないな」 竜がそう洩らすと 美希が 「そう簡単に見つかったら私達だって苦労はしないわよ」 それもそうだ。 もしそんな簡単なら誰もが止めに行っているはずだ。 しかし、誰も行こうとはしない 全員は自分が生きる事を最優先している 他力本願で済ませようしているのだろう しかし、 この中でも自分達と同じ様にサイレンを止めに行っている人達もいるはずだ。 そう考えると何かおかしい自分達と同じように止めに行っている人達がいるならば もうとっくに止まっている筈なのだから しかし、 怠はあまり考えはしなかった。 考えたら考えるだけ無駄だと思ったからだ。 そして、三十分経った頃だ。 急に物静かになったのだ。 気がつけば吸血鬼から逃げ惑う人達の悲鳴が聞こえなくなった。 6人は微かだが悲鳴はきいていた。それはどこから聞こえてくるのか分からないので、あえてそこにはあまり深く入らなかったのだ。 しかし、その悲鳴が突如やんでいたのだ。 「静だな」 思わず怠の口からそう洩らす 怠のはもう自分達の他は全員捕まったのかという言葉が 脳裏に浮かんでいた。 しかし、怠は 「後ろ向きにはなるな…なるな…なるな」 と小さくまるで呪文を唱えている様にブツブツとそれを繰り返し言い続けていた。 怠はできるだけ前の事を考えた。 しかし、前向きになる事はそんなに簡単ではなかった。ましてはこの状況だ。 自分達は今がけっぷちに立たされているのだから
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