サイレン

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サイレン

「どうした?怠?さっきからブツブツ何か言ってるけど?」 それに気付いた竜が怠を気遣い、声をかけた。 「え…?ああ、問題ない」 急に横から割って入られた為 ビクッと肩をすくめ、返事を詰まらせた。 「そうか…ならいいけど」 竜がまだ心配そうにみてるので怠はもう一度、大丈夫だと竜に言うと、竜が深く頷いたくれたので、怠はホッとしていた。しかし、となりにいた由希は 心配そうな顔で怠の顔を覗きこんでいた。 「なんだ?」 怠は由希と目が合い由希にどうしたのかと、尋ねると 「ううん…何かお兄ちゃん疲れ切った顔してるから」 「え…?…だ…大丈夫だよ。由希、…本当に」 そのやり取りをみていた竜が急に立ち止まり 「休憩しよう」 と、いきなり言い出すと、一同はえっ?と声を思わず零してしまった。 「だから、休憩すんの」 「なにいってんだ!」 先を急ぎたい怠は怒鳴りつけたが、その怒鳴りつけにも元気が無く、今にも倒れそうな程、弱々しかった。
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