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空は暗く森を照らすのは月の光と行ったりきたり繰り返す灯台のライトだけであった。
今は何時だろうかそれだけが気掛かりだった。すると、父の言葉が頭に過ぎる
『由希を頼むぞ』
`由希を頼むぞ'
`由希を頼むぞ'
それが頭から離れなかった。
怠は軽く舌打ちする親指の爪を噛んでみたりもしてみた。
だが、気が紛れる事はなかった。
「糞…」
「どうしたの?」
聞こえたのか美希が怠を気にかけながら聞いてきたので怠は
「ん?ああ…大丈夫だよ」
と微笑んでみたが顔は引きつっていたそれは怠自身でも分かっていた。
「それより憲二さん俺達と会う前に吸血鬼に追いかけられましたか?」
怠は話しの内容を逸すため憲二に話題を振った。すると残りの四人も憲二に注目を向けた。
「あったよ」
「え?」
スラッと言うので怠達は少し驚き思わず声が洩れた。
「あいつら金属製のマスクと銃を持ってたよ別に吸血鬼みたいな感じじゃなかったし」
それは5人とも知っているさっき5人はまじかで犠牲になった者を見たのだから
「でも、あいつらは大抵は捕まった人達を生け捕りにして研究所に引き渡すらしいよ暴れ回るから首筋をかんで血を少し吸って捕まった人達を失神させるんだ。」
やけに詳しいので怠は憲二は本当は吸血鬼ではないのかと疑ってしまうくらい詳しかった。
「それでもまだ意識があって暴れ回る人達には腰にしまった銃で始末するらしいよ…この目で二回みて二回とも追いかけられた僕が言うんだ間違いないよ」
別にそんな自慢されても困る と思いながらも怠は聞いていた。しかし、何故か憲二の言う事には妙に説得力があった。
「よし…話しは終わりにしていきましょこれ以上暗くなると私達が危険だし」
美希の言うとおりだ。周りはさっきより暗くなりより物静かになっているのだ。明かりはチラチラと光る灯台のライトだけ 月は雲に隠れて明かりが遮られていた。
今は夜もう、生き残れる保障はあまりない
「よし、じゃぁいくか」
怠はそう言うとまた6人はあるきだした。
6人は道なき道をあるきつづけた。
しかし、一行に砦らしきものは見つからないな 無常にもサイレンだけが自分達の頭上で鳴り響いているだけであった。
「おい、あれ」
竜が指を指した方向に全員は振り向いた。瞬間、全員の顔から笑みがこぼれた
目の前に砦があったのだ。
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