サイレン

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心配に決まってるだろっ!怠はそう言いたかった。しかし、今は怒っても仕方ないと思ったので怠は必至に怒りを押さえ込んだ。 「由希…今は親父の事よりも自分達の命を最優先しよう…今さらそんな事を考えるな…もし…」 次の瞬間だった… ウウウゥゥゥゥゥゥゥ!!! 「!?」 6人はいきなりのサイレンの音にびくつき肩をすくめた。 「なりやがった…」 竜はサイレンがある塔を睨みつけながらそう呟いた。 「逃げるぞっ!」 怠の掛け声で全員は森の中へと走り出した。 「はぁ…はぁ…」 6人はだいぶ走ったのか息を荒くしていた。 「糞…いきなり鳴りやがって…」 怠はたまらず手を腰にあてながら愚痴を零(こぼ)していた。 「お兄ちゃん…さっきね事だけど」 由希がすまなさそうな顔しているのがわかったので怠は 「大丈夫…気にすんなそれより絶対ここから逃げだそうな」 怠は由希の頭を軽く手で叩き優しく微笑んだ。 「おい!静かに!」 拓也が一差し指を口元に持ってきて怠達にそれを見せると 6人は黙り込んだ。 見える先には 吸血鬼だ… 吸血鬼は辺りを見回しながら何かを探していた。 勿論探しているのは人間だ。 「来るな…来るな…来るな…来るな…来るな」 拓也は両手を交差させて神頼みの状態であった。 しかし…吸血鬼はコチラに向って歩いて来る (まずいっ!せめて由希だけでもっ!) 怠はいつの間にか由希の肩をギュッと抱いていた。 ガサッ… 「!?」 吸血鬼は物音に気付き足を早めた。 そして… 「ウワァァァァァァァ!」 怠達の向かい側にいた。大学生が狙われた 「あ…ああ」 その大学生は吸血鬼を目の前にして怖じ気づき地面に尻餅をついた。 「た…助かった…」 運良く反対側にいた怠達は安堵のため息を吐いた。しかし、反面気持ちがはれない 気掛かりなのは自分達の犠牲になる大学生だった。 顔だけ見ようと怠達は覗きこんだ。 「なっ…中橋!?」 怠、竜、拓也、美希の四人が小さく声をあわしその襲われている人物の名前を叫んだ。 「糞…」 怠が中橋を助けに行こうとすると竜が 「やめろ!怠!俺達まで捕まる!」 「だったら友達をほっとけてか?ふざけんな!」 怠は竜にいきり立ってきた。すると、竜が
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