最初の犠牲者

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最初の犠牲者

6人はサイレンの音を止めるべく森という森を歩き回っていた。 「糞…全然みつからねぇな…」 何時間も歩き続ける竜がたまらず愚痴をこぼしながらも懸命に砦を目で探していた。 だが、一行にスイッチは見つからず 自分達の頭上には ウウウゥゥゥゥゥゥゥ! というサイレンの音が鳴り響いているだけであった。 「ああっ!むかつくなぁ!あのサイレン!」 見つからない砦の苛立ちそして、その怒りを倍増させるサイレン… 竜は今すぐこんな探索は止めて逃げだしたかった 筏(いかだ)でも作って… 筏でも… 筏…? 筏だっ!! 「そうだっ!」 竜はいきなり指をパチンと鳴らし残りの5人に提案を出した。 「なんだ…?竜」 怠達はいきなり叫びだした竜にそう聞くと竜はニヤリと不気味に笑いながら 「筏だよ!筏!」 「筏?」 「ああ!俺達で筏を造ってこの島から逃げ出すんだっ!」 竜なりには良いアイディアだった。しかし、怠達はため息をついて拓也が 「竜…それは誰でも考える…そうだろ?」 拓也は呆れた顔で竜にそう質問すると 「だったら尚更!」 と答えるので拓也は 「竜…はぁ…筏を造るまではいい…それからどうするんだ?」 「なにって…島から脱出」 「この島がどこだか分からないのにか?無人島だぞ?それに筏は長くは海の上で持たない限られた時間で頑丈に筏を造るのは無理がある…仮に作れたとしてもだ日本に帰れるかどうかも分からないんだ。そうだろ?」 拓也がそう答えをぶつけると竜は少し暗い顔になり 「そうか…」 と呟いた。そして、拓也は竜の肩を軽く叩き 「ま、五日間逃げ切ったらおれ等の勝ちだ。竜頑張ろうぜ」 拓也はそう優しく竜にそう言うと竜は 「はぁ~良い考えと思ったんだけどな」 まだあきらめずにいたのだった。 「おい!かくれろ!」 すると、前から焦った怠の声が聞こえてきたので竜も素早く屈んだ。 茂みの間から竜達は覗くと 吸血鬼だ。 それも数体だ吸血鬼は一人の人間で争っていたのだ。 「糞…うかつに動けない…」 6人はひっそりと隠れながら固唾を呑んでいた。 しかし、 ペキッ…
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