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だが、当然 吸血鬼も6人を確実に追跡を続ける
「あいつ!速い!」
由希は追いかけてくる吸血鬼の方へ振り返りそう呟くが
実際は自分達が遅いのだ。疲労が重なり足どりもおぼつかない
「ま…まじかよ!」
怠が絶望する先には前方から吸血鬼が2体コチラには気づいていないがいつ気付かれるか分からない
気付かないよう願うが
そんな願いはすぐに壊された。追跡してくる吸血鬼が大声をあげたのだ。
「あんの糞!」
竜は後方にいる吸血鬼に苛立ちをあらわにしながらそう叫んだ。そして、2体も気付き前方から後方からと挟み打ちに6人はあった
しかし、6人も簡単には捕まらない
怠が大声で
「林の中へいけっ!」
そう叫ぶと6人は道がない林の中へと向っていった。
中にはジャングルのような木々が広がり
そして、不気味な鳥の鳴き声も響いていた。しかし、怠達はおかまいなく林の中へと走り続けた
そして、ジグザグになった並木を避けながら走り続けた。それでも足の速度は衰えない
「はぁ…!はぁ…!はぁ…!」
息を切らし、もう限界を越えた6人はもう本能だけでしか走っていなかった。
そして、誰一人 愚痴を零すものや
振り返って確認するものですら
もういなかった。
「はぁ…!はぁ…!」
そして、6人はジャングルの様な所から飛び出すとそこには川があったのだ。
「飛べぇっ!!」
怠が叫ぶと6人は勢いよく川の向こう岸まで走り幅跳びの様に軽快に飛び越え 着地した
そして、怠は後ろを振り返ると 向こう岸に追いかけるのを止めた吸血鬼がそこにいて グゥゥゥゥッ と叫びながらコチラの方をずっと見据えていた。
「てか…えらいとんだな」
竜がみる先には5mあるかないかぐらいの川の間隔であった。
「本当…」
美希は自分が本当にこれだけの間隔を本当に飛んだのかと疑問をもちながらそう呟いた。
それだけ6人は決死の覚悟で飛んだのだ。
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