日常的

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すると、親父は口を開き 「怠と由希は研修にいくのか?」 と静かに聞いたので怠は 「ああまぁ、俺は行くけど…」 と怠はそう言うと由希をきずかってチラチラと由希の方を心配しながら言った。それに気付いたのか由希は 「いいよ、お兄ちゃんそんなに気を使わなくてもさ私は本当に大丈夫だからさお母さんの側にいてあげたいから」 と由希は悲しげに言った 無理もなかった 由希は一番お袋の植物人間をきいてショックだった。 俺達家族は何不自由なく暮らしていた。しかし、お袋はある日買い物に行った時だった。お袋は道路に飛び出した子供を助けようと飛び出し子供の身代わりとなった。車にはねられたお袋は大事には至らなかったものの 脳を強く損傷し本来生きていなければならない脳が機能せず 植物人間となった。 しかもそれは由希が風邪をこじらせ大好きなプリンを買いに行かせてしまって事故にあったのだ。 だから、由希は人一倍辛い思いをしたのだ。 しかし、それと裏腹に親父は 「由希…行きなさい怠と一緒にそんな自分を責めるものじゃないよ…だれも由希を怨んでなんかいないよ…息抜きだ!行ってきなさい」 と親父は優しく微笑み由希を見つめていた「ありがと…お父さん…」 と由希は語尾を少し震わせて言った。 「よし!じゃぁ…お言葉にあまえて行こうかな!」 とさっきとは対象的に明るく振る舞った。 「うしっ!今日は暗い話しはここまで飯くおう」 怠が手をパンパンと 叩きその場を片付けた 「そうだな」 と親父も便乗してまたご飯を食べるのを再開し始めた しかし、この研修に行く事が最悪な事態になろうとはしるよしもなかった。 そして、一週間が過ぎ 「ん~っ…良い朝だ!研修の日には最適だ!」 と訳の分からない事を言うと2泊三日の研修にもっていく生活用品を詰め込んだ。バックを持ち玄関先で扉をあけて伸びをしていた。 「おーい!由希いくぞ」 と階段の方に向って言うと 奥から はーい と声が微かにきこえてくる そして、居間から親父が姿を現した 「怠、由希を頼むぞ」 とニッコリ笑うと怠は深く頷いた。 「お待たせぇ」 と元気よく階段から降りて来た こんなに心の底から嬉しそうな顔をした由希は久々に怠は見たので 顔が和らいで来た 「じゃぁ、行ってくる」 と怠は親父に言うと親父はいってらっしゃいと手を振った。そして、二人は有給休暇を使った親父を残し空港へと向った
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