飴玉婆さん

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最近 中学校の間で 噂になってた。 「今度はB組の佐藤が もらったってよ」 「いきなり成績あがってたもんね」 「いぃなー俺もほしいなー」 みんなが噂してるのは、飴玉婆さんの事。 なんでも その婆さんが くれる飴はこの世のものとは思えないほどの旨さだという。 しかも その飴をもらったら成績はぐんぐん上昇する、というから みんなが欲しがるのも 無理はない。 そして。A組のあまり 目立たない少年の 学校帰りのことである。 「あー、ちょっと帰り 遅くなっちゃったな~。」 辺りは少し 薄暗くなっていた。 そこに 一人の老婆がたっていた。 麦わら帽子を深くかぶり、目は見えない。 手には飴が入ってるかごを持っていた。 その少年も噂は聞いて いたし、 これが 飴玉婆さんだ、と 確信した。 少年は ゆっくり近づいて言った。 「あ…あの…その飴…」 その婆さんはわずかに見える口元をニヤリとし、 「この飴が欲しいのかい?」 と 訪ねてきた。 ↓続く
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