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大学病院の回診は、ちょとした見物だった。
まず、担当医が資料を病室に持ち込む。
教授を先頭に患者の担当医、医学部の学生達、看護師、それに病棟での担当医と、多い時で10人もの人数が、ぞろぞろ続くのだ。
病室は6人部屋だった。
それぞれ担当医が異なると、一部屋に6人も医師が入らないといけなくなる。
一人ひとり、個々の担当医が資料を使って説明をして行く。
私の番が来ると教授は決まって、学生達にレントゲン写真を見せ、症状を説明した後で『これは何と言う病名か』と質問をする。大抵答えられない。そこで少しの間、講義が始まる。
『あー成る程、これが大学病院か』と感心した。
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