003 千鳥足で向かう先は

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~雅視点~ 「「「乾杯ー!!!」」」 都内某居酒屋に響く、大勢の乾杯。 藤代を筆頭に、雅の歓迎会が開かれた。 雅の隣には夏樹が。 夏樹の隣には藤代が。 流れで座ったはいいものの、緊張しっぱなしだ。 (なんで佐鳥さんと部長が隣なんかに……) 綺麗で華奢な体の夏樹は、先輩ながら、めちゃくちゃタイプで。 男食家の雅としては、今すぐにでも襲ってしまいたい衝動にかられる。 ──そう。 さりげなくカミングアウトしたが、雅は男もいける。バイなのだ。 まさか就職先で、こんなに美しい男と会えるとは思っていなかったが… 夏樹の言動が、今日の朝から気になって仕方がない。 それと、部長。──藤代の夏樹を見る目が気になる。 同族だからわかる。 あいつの佐鳥 夏樹を見る目は、俺と同じだ。 意図して座ったのかはわからないが、夏樹の隣にしっかりと藤代は座っているし、 しきりに夏樹に話し掛ける。 単なる思いこみだろうか。
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