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いくら僕がまだ若いからって、部下一人の為にわざわざ入社式に出なくたってよかったはずなのに、欠席しないように、もう一つ余分に仕事入れやがって……
どこのどいつか知らないけど、好きになれないのは確かだ。
「佐鳥、こっちだ。」
会場に着くや声をかけられる。
「はーい、……って部長!!?」
部長。
名前は藤代 悠フジシロ ユウ。
ノンフレーム眼鏡がムカつく程似合う、若き部長で、つまりは僕の上司。
「社員はここに座るんだ。
私の隣につきなさい」
「はい」
言われるままそっちの席へ向かう。
──ドンッ
「痛っ」
「すっ、すいません!!」
「……次は気をつけてね」
新入社員かな。
多分僕よりいくつか年下。
そのくせやけに僕より背の高い青年と、混んでたせいか、軽くぶつかってしまった。
「佐鳥、」
一言二言そうやって少し会話をしていると、部長が急かすように名前を呼ぶ。
「はい」
それに応えるように軽く返事をすると、急ぎ足で部長の元へと歩いていった。
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