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幸せな勘違いをした剛は、自分の場所へと足を運ぶ。
友達もおらず常に1人だった剛は、河原の橋の下で寝っ転がるのが日課のようなものだった。
彼は明日死神が来るまでの間、そこで成仏するか考えようと思ったのだが、そこには既に先客がいた。
まぁ うすうすそんな感じはしてたけど……
剛はそう呟きながら、気だるそうに近付く。
そこでは、剛とは面識の無い連中同士が喧嘩していた。
その内の1人は際立ってガタイが良く、ナイフだの警棒だのを持った不良共約10人をなぎ倒している。
ロックマンにあんなボスいたよな……?
その様子を伺う剛の脳裏にそんな考えが浮かぶ中、ロックマンのボスが雄叫びをあげる。
「物足りんー!! 物足りんぞォォ!!」
男の覇気に、割と離れた位置にいる剛ですら少々たじろいだ。
あのロックマンのボ……
もうストーンマンでいいか
あのストーンマンの野郎……何者だ?
眉をひそめる剛に気付く素振りも見せず(霊体なので)、ストーンマンは鬼気迫る気迫を不良たちに投げつけている。
「なぜ死んだ相賀ーー!!!
お前にリベンジ出来なければ 俺は何のために強くなったんだァァ!!!」
ストーンマンの吐く言葉より察するに、どうやら剛とは以前やり合った間柄のようだ。
覚えてないぜ
ていうかもう俺より強いんじゃねぇか?
剛は素直にそう感じたものの、すぐに悔しさと挑戦心が彼の心を支配する。
しかし剛がストーンマンをいくら殴ろうとも――、
殴ることは出来なかった。
いくら叫んでも、いくら殴っても、生きている者には届かない。
次第に剛の中で、『生き返る』という選択肢が大きくなっていった。
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