死神

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笑い終えた骸骨が、ようやくメンチ切りっぱなしの剛に気づく。 「……お腹痛いんですか?」 「ちげーわ  あご割るぞてめぇ……」 「ちょ……!  それは勘弁してください!!  私こう見えてもデニーロには憧れてないんで……」 「どう見えてもだよバカ  ぱっと見ただのスクリームじゃねぇか」 「私山崎に憧れてるんです」 「山崎?」 「アンタッチャブルの」 「あご割れてんじゃねぇか」 呆れ顔な剛の一方で、骸骨は  こいつツッコミが下手だな といった表情を(ギリギリ)見せ、再び口を開いた。 「この鎌であなたをサーンッといけば  あなたは成仏できます  未練が無ければですが」 骸骨が急に真面目なトーンになったことで剛は少々戸惑ったが、 剛の疑念は確信に変わった。  こいつは死神だ 「どうしますか?」 死神のその問いに、剛は即答した。  
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