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「えーっ!?」
髑髏のそのバカでかい声に、剛の耳はハウリングを起こす。
「うるっせぇな!!!
何だよ悪ィかよ!?」
「だって冒頭で『成仏したくねぇ~……』って言ってたからてっきり未練タラタラなのかと……」
すると剛は引きつった顔を見せ、下界を指差す。
指差す先には明らかに不良と思しきグループが3・4つ、
道路に屯(たむろ)しながらお経をかき消す程のボリュームでバカ笑いしている。
「マジありえねー!!
餅喉に詰まらせて死ぬとかウケ狙いかよ!!!」
「ギャハハ…!!
まぁそんなもんよあんなチビヤロー!!!
俺に手も足も出ねぇのを苦に自殺したのかもな!!!」
「あー!
あり得る!!
あの根性ナシならな!!!」
「餅詰め自殺!!(笑)」
「ハハッハハハ!!
それ最高!!!」
何が(笑)だ!!(怒)
1ナノも面白くねぇよ!!
どうして知らない人の話とはこんなにつまらなく感じるんだろう
それが自分を中傷する内容なもんだから
つまらないどころの騒ぎじゃあないが
そのバカ笑いグループは全員、剛が少なくとも一度は喧嘩したことのある連中だった。
「俺の見てねぇとこで好き勝手言いやがって……」
ふと横を見ると、死神がまた肩をカタカタさせて笑いをこらえている。
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