エピソード1 始まり。

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その男性は膝から下がなかったのだ。 その状態で普通の人が歩くように進んでいた。 まるで膝から下が、舗装された固い道路に埋まって歩いているように見えた。 平然と歩く男性に、周りの人はまったく気にせずに、忙しそうに早足で歩き去っていった。 もしかしたら、あの人の存在に気が付いているのは、この場で、俺だけなのかもしれない。 そんな事を思っていた時に、彼は俺の前を通り過ぎようとしていた。
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