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ドクン
─あれ…
「2007?今年は2006年でしょ?」
私はしゃがみ携帯の画面を見つめる。
声が震えてる。
ドクン
「…それに……なんで…」
─画面に私が映ってないの…
ドクン
…そうだ……私は…
時間に遅れそうになったから走ってた…
『ヤバい遅刻だ!とにかく急がなきゃー…』
それから角に飛び出して…横からきた車にひかれて…
─そっか…死んでたのは私のほう。
雅人は自分の涙を拭った。
それから私のほうを見る。
─ねぇ雅人…私全部思い出したよ…
「雫っ!体がっ…」
私の体はどんどん消えていっている。
私は雅人に近付き、首に腕を伸ばし抱きついた。
触れることは出来ないから少し離して。
─私はこの約束を守るために帰ってきたんだって…思い出したよ…雅人…
「私…雅人が約束忘れないでいてくれて…嬉しかった…」
私は雅人の肩に顔をうずめる。
─ほんとはずっと…一緒に居たかったけど…
「今までありがとう。」
私は涙を目にためたまま微笑んだ。
そして…消えた。
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