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相変わらずの炎天下。
最初と違うのは前に千里がいて
自転車を漕いでいる。
千里の両手にはハンドル
自分の手を見ると
右手は千里の細く華奢な腰へ、
左手は千里の白い傘を掲げている。
何十分この状態が続いただろう、
千里の肩は大きく動いている。
「千里、かわろうか?」
「嫌よ、アナタの自転車じゃないわ」
「でも疲れているでしょう?」
「疲れてなんかないわ。疲れていたとしても蛇がこの自転車を漕ぐくらいなら我慢するわ。」
「そう。」
千里は真直ぐ真直ぐ自転車で道を進んでいく。
景色が次から次へ変わっていく。
心が変な感覚だ。
あぁ、
これが綺麗だと思う事なんだろうか。
T字路に差し掛かり千里は迷わず右に進んだ。
千里は此処を知っているんだろうか、
「ねぇ千里」
「なぁに、蛇」
息を切らしながら千里は答える
「此処に来た事はあるの?」
「無いに決まっているじゃない。」
それから会話はなかった
「あっ!!!!!!!ヘビ!!!!!!!!」
「何?!」
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