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―『サバイバル・ロッタリー』。この時代、医学の進歩と共に少子高齢化も進み、深刻なまでと発展していた。中でも深刻さを極めていたのは、臓器提供者がいないというものであり、それによって助かるはずの若い命は、はかなく散っていくのであった。
そこで世界は、『一人の命より多数の命』という考えにたどり着き、この『サバイバル・ロッタリー』を取り入れた。サバイバル・ロッタリーに選ばれた者は、医師会により派遣されたスタッフによって脳死させられ、速やかに必要な分の臓器を取り出し、移植を必要とする人々に送られ、多数の命を救うというものであった。
この理不尽なニュースは、連日のようにメディアに取り上げられ、全国民は日々見えない恐怖に怯えて暮らしていた。
いつ自分が選ばれてしまうだろう…と。
もちろん、何の前触れもなく選ばれ、素直に聞き入れられるわけもなく、逃げ出す者も大勢いた。
しかし…
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