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赴任先の姥桜学園には、週末に挨拶に行った。
「さすが、金持ちのお嬢様学校だな?」
前の高校とは違い、隅々までお金が行き届いている…そんなゴージャスなたたずまいだ。
花壇と庭の手入れをしているおばさんが、にこやかに挨拶する。
職員用入口から校舎に入ると、宮殿ばりの内装にさすがにびびる。
「どれだけ、金持ちの集団なんだか…」
あちこちキョロキョロと見回しながら、職員室にたどり着く。
中には誰もいなかった。
「授業がある時間でもないのにな?」
教師Xは職員室をでてウロウロしていると、さっきの花壇の手入れをしていたおばさんが、近付いて来た。
「新しい先生?」
Xが頷くと、おばさんは廊下の奥を指差した。
「理事長室は、あっちですよ」
Xは礼を言うと、教えてもらった理事長室に歩いてゆく。
おばさんは小走りに、どこかへ行ってしまった。
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