シド・ヴィシャス

2/5
19人が本棚に入れています
本棚に追加
/5ページ
<Vicious Man>  シド・ヴィシャス Sid Vicious(本名 John Simon Ritchie)、 どうやら名付けの親は、セックス・ピストルズの仕掛け人マルコム・マクラーレンだったようです。 「Vicious=悪徳の、堕落した」とは、よくぞつけたものです。 (ルー・リードの曲にもありました) しかし、 つけられた男の生き様は、やはりその名に恥じないVicious Lifeだったのでしょうか?   インディペンデント映画の奇才、アレックス・コックスは、 この男の生き様を「悪徳の人」ではなく「無垢の人」として描き、 シドとその彼女ナンシーの物語を、どこまでも純粋な「愛の物語」として描きました。   だからこそ、 この映画は単なる時代の記録ではなく、 永遠の愛の物語としてカルト的な人気を得ることができたのです。 <Mr.パンク・ロック>  ベース・ギターを弾くことができないベーシストであったということだけでも、 シドは充分にパンクな存在でした。 (もちろん、バンド加入時のことではありますが、・・・) かつては、ポピュラー音楽におけるアウトサイダーだったロックの世界において、さらなるアウトサイダーの地位についたパンク・ロック。 しかし、 そのパンクの世界においてすら、シドの存在ははみ出し者でした。ですから、セックス・ピストルズという究極のアウトサイダー集団から追放された時点で、彼の魂を救うことは不可能だったのかもしれません。  しかし、そんな男を愛する女がいたという事実、そのことだけでも「究極の愛」を描くのには打ってつけであると感じた人物、アレックス・コックスもまた映画界における究極のアウトサイダーです。 <アレックス・コックス>  映画監督アレックス・コックス Alex Coxは、1954年12月15日ロンドン生まれのイギリス人です。イギリスの名門大学オクスフォードで法律を学びながら舞台劇にのめりこみ、演出をし始め、結局大学を中退しアメリカに渡ります。そしてカリフォルニアのUCLAで映画を学びながら脚本の執筆を始め、エイドリアン・ラインの出生作「フラッシュ・ダンス」では共同で脚本を執筆しています。1984年、借金取りと宇宙人が激突するという不思議なSF
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!