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<Vicious Man>
シド・ヴィシャス Sid Vicious(本名 John Simon Ritchie)、
どうやら名付けの親は、セックス・ピストルズの仕掛け人マルコム・マクラーレンだったようです。
「Vicious=悪徳の、堕落した」とは、よくぞつけたものです。
(ルー・リードの曲にもありました)
しかし、
つけられた男の生き様は、やはりその名に恥じないVicious Lifeだったのでしょうか?
インディペンデント映画の奇才、アレックス・コックスは、
この男の生き様を「悪徳の人」ではなく「無垢の人」として描き、
シドとその彼女ナンシーの物語を、どこまでも純粋な「愛の物語」として描きました。
だからこそ、
この映画は単なる時代の記録ではなく、
永遠の愛の物語としてカルト的な人気を得ることができたのです。
<Mr.パンク・ロック>
ベース・ギターを弾くことができないベーシストであったということだけでも、
シドは充分にパンクな存在でした。
(もちろん、バンド加入時のことではありますが、・・・)
かつては、ポピュラー音楽におけるアウトサイダーだったロックの世界において、さらなるアウトサイダーの地位についたパンク・ロック。
しかし、
そのパンクの世界においてすら、シドの存在ははみ出し者でした。ですから、セックス・ピストルズという究極のアウトサイダー集団から追放された時点で、彼の魂を救うことは不可能だったのかもしれません。
しかし、そんな男を愛する女がいたという事実、そのことだけでも「究極の愛」を描くのには打ってつけであると感じた人物、アレックス・コックスもまた映画界における究極のアウトサイダーです。
<アレックス・コックス>
映画監督アレックス・コックス Alex Coxは、1954年12月15日ロンドン生まれのイギリス人です。イギリスの名門大学オクスフォードで法律を学びながら舞台劇にのめりこみ、演出をし始め、結局大学を中退しアメリカに渡ります。そしてカリフォルニアのUCLAで映画を学びながら脚本の執筆を始め、エイドリアン・ラインの出生作「フラッシュ・ダンス」では共同で脚本を執筆しています。1984年、借金取りと宇宙人が激突するという不思議なSF
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