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現在、世界には数本の「ロンギヌスの槍」が存在するが、そのうちのいずれかが本物のであるのか、全てが中世の捏造物であるのか、あるいは南極大陸の奥底に今も眠るのか。真実は闇の中である。
この「ロンギヌスの槍」という名の由来に関しては、諸説が存在している。一説にはキリストの体を刺した兵士の名が「ロンギヌス」であった事から、そのまま名づけられたという説がある。聖書、ヨハネの福音書にはこの「ロンギヌス」の名は描かれていないが、13世紀、ジェノバの大司教ヤコブス・デ・ウォラギネが著した「黄金伝説」には、この兵士がロンギヌスという盲目の兵士として描かれている。同書によれば、この時キリストの体から流れ出た血をロンギヌスが目に浴びると、ロンギヌスは視力を回復し、その後回心してキリストの信者になったとされている。またロンギヌスはその後、カッパドギアで宣教中に捕らえられ、偶像崇拝を拒否したために処刑され、殉教者として崇敬されるようになる。現在でもバチカンには「ロンギヌスの槍」と共に「ロンギヌス像」が飾られている。
またロンギヌスはその後、カッパドギアで宣教中に捕らえられ、偶像崇拝を拒否したために処刑され、殉教者として崇敬されるようになる。現在でもバチカンには「ロンギヌスの槍」と共に「ロンギヌス像」が飾られている。またもう一説には紀元前42年にカエサル暗殺をブルータスと共に実行した「ロンギヌス」なる人物がいたことから、古代ローマにおいて「暗殺者」の意味を持っていたという説もある。その他には単にギリシャ語で「槍」を表す「ロンケー」が訛ったという説、更にはそれが長い槍であった事から「ロング」が訛ったという説も存在している。
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