彼の夢

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彼の夢

僕は時に夢を見る。 風景はいつも変わらず宮殿の屋上。 燃え盛る街並み。 飛び散る鮮血。 それを眺めながら、一人の男が哄笑を上げる。 何が楽しいのか? それとも嬉しいのか? 眼下に広がるのは間違いなく地獄絵図。 男の表情は見えない。 何かを呟いているようだがそれも聞こえない。 僕には何故こんな夢を見るのかは分からない。 分かるのは、 この風景に、自分が恐怖を感じていないことだけだった。
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