第二章 腕の起つ医者

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門まで見送るつもりだったが、松本がここで良いと言うので巳鷺は渋々、了承し松本の後ろ姿を見送った。 『…朔永君だったな。しばらく隊士と寝起きを共にして貰うことになる。馴染むのにも良いと思うが…』 何事も無かったかの様な威厳を放ちながら近藤が同意を求めるように訊ねてきた。 目に涙がうっすら潤んでいるように見えるのだが敢えて触れないことにした。 『ええ。構いませんよ』 『そうか。あとのことはこの土方に聞くと良い』 『副長の土方 歳三だ。とりあえず部屋に案内する。ついてこい。』 言うだけ言うと歩き出した土方にならいついて行く。
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