第壱章 松本良順の弟子

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静まり返る部屋に何処からか足早に歩く足音がする。一直線にこちらに向かってくる足音。 目的の一室の前でその足音は止み、襖が軽く開けられる。 ひょこっと襖の向こうから顔を出したのは松本良順の弟子である 朔永 巳鷺(サクナガ ミサギ)と言う少女だ 「師匠(せんせい)どーぞ」 届けられたばかりの手紙をそっと手渡す。 「ありがとう。」 ニッコリと微笑み、師匠と呼ばれた銀髪の男は手紙を受けとり中身に目を通す。 「さて、巳鷺。出掛けましょう。」 手紙を机に置きながらなんの前触れもなく告げられる。 頭に“?”を浮かべていた巳鷺だったが素直に従う事にした。 「あぁ、そうだった髪型はこの辺りで結って」
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