第壱章 松本良順の弟子

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――「何処に行くつもりなんですか?こんな格好させて…」 呆れ顔で巳鷺が訪ねれば 「フフフ、それは秘密です。」 口元に指をあてがい楽しそうにそぅ言ってくる。 巳鷺は溜め息をそっと吐いた。 (先生の隣をこんな格好で歩くとは💧) 巳鷺の師匠である松本 良順。 彼は、細身の体型と女性を思わせる綺麗な顔立ちに下ろされた長髪が印象的な風貌の持ち主だ。 そんな松本良順の隣を中性的で男装をした巳鷺が歩いて居れば当然道行く人達は、美女と美少年か百歩譲っても美男子と美少年にしか見えないだろう。 (――良い見世物だ―)
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