第壱章 松本良順の弟子

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『松本がそう言うのなら、朔永君だったかな?いろいろ大変だろうがお願いするよ』 (かかった) 二人の策略通り近藤は巳鷺を屯所の医者に招き入れた。 『よろしくお願い致します』 一点の曇りも無いような笑顔を見せ答えた巳鷺だったが、師匠の策に乗ったものの巳鷺には気がかりなことがいくつかあった。 機会を見つけて聞けば良いと自分を納得させたころ、松本が不敵な笑みを浮かべていた。 『局長。この子の事よろしくお願いしますね❤あっ★そうでした。ついでなので近藤さんの痔、治しちゃいましょうか﨏』 『あぁ。って…は?痔?痔など患っておらんぞ』 『いや、絶対痔ですよ。心配なら検査をしましょうか?ボケてないかも診てみましょう☆』 『いや。待て!』 抵抗する近藤を無視し部屋の外へと引き摺っていく松本。 『ちょっ…どこ行くんだ?松本。これは先程の仕返しか?…悪かった!待たせたのは謝る!謝るから離してくれ~…歳ぃ。助けて~!』 『巳鷺もついてらっしゃい。いくらでも叫べるように離れに行くんですよ☆なにを勘違いなされてるんです?まったく近藤さんはいつからこんなに疑り深くなったんですかねぇ~。あ☆土方さん?ついてくるなら人払い宜しくお願いしますね。』 蒼白した表情の巳鷺と土方を置いて、近藤局長を引き摺りながら廊下を勝ち誇った様に笑いながら歩いて行く松本。 近藤の情けない悲鳴が廊下から聞こえるのを確認すると、土方は慌てて人払いを部下に指示して巳鷺と共に離れへと急いだ。
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