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軽くなった紙パックを握りしめて少し向こうのトイレをみると5人でトイレへ行くところ。
これこそどんだけ…。
何でそんな風になるんだか。
トイレ位一人で行かせろって。
「おい小野沢!早く来いよ!!」
いきなりのデカい声に周りは声のした方を見る。
耳障りだなー。
玲「石川たちじゃん。」
「玲ー。まただよアイツ等。飽きないね...」
是非ともあたしに降らないで欲しかったなー…。
小野沢っていうのはいじめられっこの代名詞。ちなみにフルネームでは小野沢結衣。
頭良いやつ。
石川ってのは小野沢の真逆でいじめる側。こいつは生理的に受け付けないんだよね。
2番目のしゃしゃりでいじめっこなグループの中心…らしい。
1番はアタシのとこらしいね?
そんなつもりはありませんが。
石「ほら小野沢!!!」
……あーしょうがない。
アタシのめんどいキャラ的にはこういうときどうしなくてはいけないか。そんなのは分かっている。
走り出すアタシ。
向かう先はただ一つ。
玲「石川さーん♪先公来てますがー?」
にしてもケバい化粧。
石「あ!?来んなよ馬鹿!そんな手に乗るわけ…」
玲「山田ーーー!!」
石「ヤッベ…行くぞ!!!」
キャーキャー言って逃げてく。
何才だよ。いつまで小学生やってんだよ...
しかもうるさいし。
玲「ごめん。ちょっと来るの遅くなって...」
目の前では水浸しの小野沢。
長い髪の毛から足先まで。
全てが濡れている。
でもアタシはそこまで悪いとは思わない。それは...
小「な...んで?」
玲「何が?」
小「何で長沢さんはそんな事してるの?何で好きでもないこといつもしているの?」
アタシにとってこいつはただ一人の敵だ。
全てを見抜かれている感じがするから。
玲「あのさー小野沢さん。はっきりと喋れるなら石川たちにもヤダとか何とか言ったらどうかなー?」
きっと今の笑顔は引きつっていたに違いない。
小「だってどうでも良いもん。水に濡れてもどうなっても。ただ長沢さんの事は気になる。だから言葉を発しただけ。」
玲「じゃあアタシ戻るから...」
小「待って。最後に一つ。」
まだ言いたいことがあるって…全然聞きたくないし。
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