都会の雪

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「すいませ~ん! オーダーお願いしま~す!」 十数分後、俺と川野さんは小さな居酒屋にいた。 (考えてみれば会社が同じなんだから、新宿みたいな乗換え駅で会うのは当たり前と言えば当たり前なんだよな……) 川野さんの案内で、俺達は学生御用達の居酒屋で時間を潰す事にした。 もちろんワリカンで…… かなりリーズナブルな店とはいえ、一人暮らしの俺にとっては結構キツい値段であったが……。 (ええぃっ! 飲んでしまえ!) 店は雪やみ待ちの客で結構、賑わっている。 彼女と飲み交わしながら、たわいの無い話で盛り上がっていた時だった。 【……You got a mail. You got a mail.……】 突然、彼女の携帯にメールが届く。 「誰からですか?」 俺は何気なく聞いた。 「ん? 彼からよ。」 彼女は嬉しそうに答えて、メールを打ち込んでいる。 「あ、学生時代から付き合ってるっていう?」 「そ!」 メールを打ち終えてから、彼女は俺に視線を戻した。 「いつもの連絡メールなの。」 ツマミを口に放り込みつつ答える。 「ラブラブですねぇ。」 からかうように俺が言うと、 「坂口君ほどじゃないわ。」 ニッコリと笑って返された。
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