第 1 章

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行き先は決まった。 向かう遊園地は、僕たちがいる街の中でも一番規模がデカい。 そう。 ここが僕と君との最初の思い出――――― 駅前から電車乗り間も無くして遊園地に着いた。 はしゃぐみゆは真っ先に電車を降りた。 「やっと着いたね」 「にしてもデート日和って感じな天気だな」 「きっと天気も私たちの初デートを祝ってるんだよ」 「そうだったら俺たちすごい存在じゃね?」 「私と幸だよ?すごいに決まってるじゃん」 そう言いながらもみうのテンションは高まっていく。 その側で何がすごいのか必死に考える僕。 そんなに必死になることでもないことを考え過ぎてたせいか、みうの声に全く気づいていなかった。 「ねぇってば!!」 「え?何?」 「もう!人の話はちゃんと聞いてよね」 「悪い悪い。で、何だった?」 「ゆきって絶叫系は大丈夫?」 「余裕な人だよ。余裕が余るぐらい余裕」 「余裕が余るって…」 「そういうみうは?」 「私は苦手かなぁ」 今の言葉を数時間後のあなたに聞かせてあげたいよ。 それに今思えば、苦手って言いながら笑ってたっけ。  
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