第 1 章

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「ならゆきは今日から私の彼氏ね♪」 「よろしく。俺の彼女さん」 「照れるじゃん。そうだ!せっかくだから明日デートしよっか。10時に駅前集合ね。遅れたらデート代全部ゆき持ちだから」 しばらく動作停止。 再度ゆっくり時間を確認する。 時刻は9時3分。 あんなに眠かったのに、今は覚めるのに時間がかからなかった。 あれだけ不機嫌だったのも忘れるほど。 「これって……ヤバいよな」 もちろんヤバいに決まってる。 今日は僕とみゆの初デート。 初めから遅刻なんてさい先が悪い。 もちろんこの日の朝が、目覚し以上に騒がしかったのは言うまでもなかった。 「あ゛ーマジでヤバい!!何で起きなかったんだよ…」 後悔先立たずとはよく言ったもんだ。 今さら悔いても仕方ないことぐらい分かってる。 でもね、人間って追いつめられた方がよく動くもんなんだ。 起きて今日何の日か気づく。 そして事態のヤバさに気づく。 ここまでに10分。 そこから動き始めて準備完了までに20分かかった。 時刻は9時30分  
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