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やっとのことで休憩と思いきや、それを見計らったのように電車は到着。
「タイミング良すぎじゃんかよ」
いや、元を辿れば寝坊する自分が悪い。
うだうだ言っても、乗らなきゃ遅刻は確定。
重い腰を上げて、僕は電車へと乗り込んだ。
電車に乗ること数分―――
目的地に近づくに連れて、緊張と興奮が高まってくる。
『どこ行こうか…遊園地か?いや映画館もありか…』
ワンテンポ遅い緊張と興奮は、時間を忘れさせた。
気が付くと、もう一駅前まで近づいていた。
『あ゛ーもう着いてから話して決めればいいか。今は急がないと』
焦ってる今決めてもしょうがない。
「善は急げだ」
なんか使い方が違う気がするが、急いでる今はそんな間違いにも気がつかない。
待ち合わせ時間まで後数分。
「これなら余裕で間に合う!」
最後のスパートをかけ、一気に階段を駈け登る。
眩しい太陽の光に、目を細めながらも必死に探したんだ。
そしてすぐに見つけたよ?
だって君は、周りより断然輝いていたから。
そして君の名前を呼んだんだ。
この時も…あの時も…
「みゆー!!」
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