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雪哉の目はとても真剣だった。
こんな目されたら…断れないよ…
「~っ、あーもうっ!!わかったよ、やるよ!」
「ま、まじで?!」
「あ、あぁっ!!」
「や…ったぁぁあっ!!零菟、ありがとぉっ!!大好きだぁぁあっ!!」
叫びながら、雪哉は私に飛び付いてくる。
「雪哉ぁっ!!くっつくなぁっ!!」
「えー、いいじゃんよぉ。」
ぶーぶーと、ブーイングしてくる雪哉を横目に、私は八神さんに話かけた。
「八神さん、私で…いいんですか?」
「…と、言いますと?」
「私なんか、なんも取り柄もないし…、」
「そんなこと、ありませんよ。」
「え…」
ふっと、八神さんの顔を見上げる。
…見えないけど。
「雪哉がここまで気に入ったのは、貴方が初めてなんですよ。」
「…え?」
「雪哉は、ずっと人を信用できなかった…
そんなあの子が、人を気に入ったのは、初めてなんです。」
「そう…なんですか」
正直、何も言えなかった。
雪哉みたいな明るい人が、人を信用できないなんて…
…死ぬ前にでも、なんかあったの…かなぁ?
「まぁ、とにかく」
「えっ?」
「これからよろしく、零菟っ」
にこっと、笑って私の目の前に手を差し出す雪哉
「あぁ、よろしくね!」
それに応じ、私も雪哉に手を差し出し、ぎゅっと掴む
「っし、これで仲間だな!」
「だね!」
「じゃあ、さっそく手続きとりますか!」
そして、私は死神の手続きを取ることになった
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