椎茸

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  二日・・・そこで怯えていた。   夏の暑い時期。 鍛練に遅刻した事への戒め。   何度も殴られ、蔵に閉じ込められた。 小1の夏。     助けてくれたのは姉。 頬を腫らしながら・・・水を飲ませてくれた。   髪に流れた血を手櫛で剥がしながら。   熱く湿った蔵で・・・何度も吐いた。 胃の中身もないのに吐き気だけは収まらない。   頭痛と吐き気・・・暑さと、喉の渇き。 そして・・・湿った蔵の臭い。   それは椎茸の臭いに似ていた。    
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