14人が本棚に入れています
本棚に追加
「しのもしょうちゃんにプレゼントあるの」
はい、と袋を手渡されて今度はこっちが驚かされた。
中には俺の好きだった仮面ライダーの絵とキャラクターカードが入っていた。
びっくりして志津乃を見ると、得意げに笑って
「それはね、さくらぐみのけんたくんがくれたの。たのんだらいいよって」
さくら組の健太にはムカついたが、俺が欲しいものを知っていた志津乃にびっくりしたし嬉しかった。
「しょうちゃん!ゆきがふってきたよ!!」
「えっ、ほんとだー!」
外を見ていた志津乃の声で窓をみると、空から白い雪がハラハラと舞っていた。
昔から俺たちの誕生日にはよく雪が降った。
よく、というかほぼ毎年降っていた。
「つもるかなー?」
「つもったらゆきだるまつくって、ゆきがっせんしようね」
めったに積もることはなかったし、翌朝にはほとんど雪は消えていた。
でも俺たちにとって雪は誕生日の象徴で、とてもとても大切なものだったんだ。
最初のコメントを投稿しよう!