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俺の一番古い記憶はあんまりいいものじゃない。
―両親の怒鳴り声。
「養ってやっているだけ感謝しろ!あんな誰の子だかわからない子供とお前をっ」
「もういい加減にしてよ!!何回言えば気が済むのよっ」
「言い足りないに決まっているだろう!」
怒鳴り散らす父親とヒステリックに叫ぶ母親。
それが俺たち、特に妹を指すことは分かっていた。
なぜなら、この世に生まれおちた俺たちは双子ながらにして全く違う容姿だったのだ。
幸か不幸か、朧気ながらに愛されていた記憶もある。
しかし成長するにつれ、妹の容姿が明らかになるにつれ、それはボロボロとまるで砂の城のように脆く崩れさっていったのだ。
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