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俺たちは抱き合うようにして寄り添い、この嵐が過ぎ去るのを待った。
妹の志津乃は小刻みに震えて今にも泣きそうだった。
察した俺は絵本を取るために立ち上がった、つもりが服の裾を引っ張られて思わずたたらを踏んだ。
行かないでと言わんばかりに目に涙を溜めた同い年の妹にニッコリ微笑んで、裾を掴んでいる手とは逆の手を握った。
手をつないだまま二人で絵本を選びにいく。
といっても志津乃が好きな本は決まっていたのだけれど。
そしてまた、寄り添うようにしてベッドに入った。
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