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ふと横をみると妹もスゥスゥと寝息をたてている。
俺は起こさないようそっと妹の頭を撫でた。
薄暗闇のなかでも鮮やかに浮かび上がる、この金髪こそが両親の喧嘩の原因だった。
毛布をかけ直し、そうっとベッドの外へでる。布団のそとはヒンヤリと寒かった。
ゆっくりと音を立てないように階段を下りて、真っ先に無人のリビングのテーブルへ行く。
そこにはパックに入ったままの惣菜と一枚の紙。
まさとへ
と書かれた手紙には妹のことは一言も触れていない。
まるで子供は一人だけだとでもいうように。
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