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幸福な仮初の世界を必死に終わらせないように努力するウサギと、
そんな努力を知ってか知らずか、永遠と夢を見続ける少女がいた。
ウサギは彼女を悲しませないがために、矛盾に壊れかけた世界を必死に修復し続ける。
そこは、終わる悲しみのない世界。
死が二人を分かつまで。
―――閉じた世界で彼女は幸せな夢を見続ける。
死んだモノはよみがえり。
壊れたものは前と同じく再びそこに。
けれどそれを滑稽と思うのは外の人だけ。
終わる悲しみを知らない彼女は知らないがゆえに不思議とも思わない。
ウサギは今日もせっせと働く。
―――ただ愛する少女のために、悲しみのない世界を作り続ける。
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