~人魚姫の絵本~

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    「じゃあ……何で人魚姫嫌いなんだ?」 「嫌いというより…理解不能……」 「理解不能……??」 「だって僕なら王子様を殺すか婚約者から王子様を奪うからね。何で自ら泡になって消える必要なんてあるのかなぁ…」   一緒だ… アタシが小さい頃から不思議に思ってた事と一緒…   「それは…本当の恋をしたことがない人の意見だ」 「……どういうこと?」 「昔、母さんに聞いたんだ。『本当の恋をしたら分かる』って言ってた…だからあんたは本当の恋をしたことがないから言えるんだ」   まぁ…アタシも本当の恋をしたことがないから分かんないけど……     「………君もしたことないでしょ?」 「ッ!?」   何で分かった!心でも読めるのか!?     「ちょとそれは…黒魔術をs『ごめん、アタシが悪かった!』     フゥ~…やっぱりコイツにら逆らえねぇ―…   「アタシも人魚姫の気持は理解出来なかった。理解しようとして何回も読んだけど無理だったよ…   でも今は理解したくないな……」 「理解したくない?何で?」 「……それは言えない」 「そこまで言われたら気になるよ」     アタシは絶対に言いたくなかった。だって……絶対笑われるから……   「言えないって」 「教えろって」 「教えねぇ…」 「言え(黒笑)」 「……はい」   この黒さには勝てねぇ…   「……恋なんてしたくねぇから……」   消えそうなくらい小さな声で呟く   「……はッ?恋をしたくない?一応女子高生の言う言葉か?」 「一応ッて言うな!   …恋をしたら…自分が自分でなくなりそうなのが…嫌なんだ……」 「……そういうものか?」 「死んでもいいと思うほど人を好きになったことがない。なったことがないから恐いんだ……」   こんな事誰にも言ったことない… 初めて人に言った…     「アタシはおかしいのか……?」     何故こんなに声が震える…   何に不安になっているんだ…     何でコイツに助けを求めてる??       「あぁ、おかしいな」      
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