~葉月憂~

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「憂ッ!いくよッ!」 「OKッ!」   パシッ……アタシにパスが回った。でもゴール前には敵が3人いる……   チッ……でもそれでアタシをとめたと思ってるのかな?   「あッ!?」   アタシはあっというまに3人を抜いた。相手の敵も驚いた表情を隠しきれていないでいる   ガコッ…そしてそのままリングにボールを入れシュートする。その瞬間に試合の終了を告げる音が体育館になり響いた     「ピ――――!試合終了。18対24で緑ヶ丘学園の勝ちッ!」   「きゃあぁ――ッ!カッコイイ――!」     観客の黄色い歓声が聞こえる   「やったな憂ッ!」 「あぁ…でも…」 「でも??」   今、話しかけてきたのは親友で同じバスケ部の中邑舞花……   でもアタシは浮かない顔で舞花を見ていた   その理由は――     「ただの練習試合でこんなに観客がいるんだ?応援は嬉しいけど…これじゃあ相手の学校に迷惑だろ」     そう、試合をしていた体育館には沢山の人が応援に来ていた。 まぁ……主に女子が多い気がするんだが……     「あぁ…でもあれ皆、憂のファンだよ。それに相手の学校も憂を見に何人か来てるみたい…」 「えぇッ!?」     確に…見たことのない制服が何人もいるけど……     「憂先輩!お疲れ様です!あのこれ良かったら使って下さい!」 「私のも使って下さい!」 「えッ…ちょッ………わぁぁ!」     アタシは目にも止まらぬ早さでファンの女の子に囲また     「葉月憂(ハヅキユウ)17歳。 緑ヶ丘学園高等部3年生。 誕生日2月29日生まれの魚座。 好きなものはバスケと甘いもの。 嫌いなものは茸。 容姿はショートカットより長めの漆黒の髪と眼。 見ての通り女子からモテまくり……etc…」     アタシがファンの女の子に囲まれてる横で舞花は堂々と人のプロフィールを読んでいた   「人のプロフィールを何ペラペラ喋ってんだよ!舞花!」   やっとの思いでファンから逃げたアタシは舞花にせめよった   だが当の本人は気にしていない……   「あ、お帰り~!いや~…何となく?」 「何となくで人の個人情報を喋るな!」 「まぁまぁ。相変わらずモテモテですなぁ~!」 「女子に好かれてどうするんだよ……」 「アハハハ……でも憂ってそこらの男子よりカッコイイし仕方ないよ」 「いや、これでも一応女だし…」      
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