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『じゃぁ未琴バイバイ~』
ガチャ…
ハァ~…
やっと行ったか…先生も行ったか?
アタシはひょこっと顔を出して辺りを見渡した
ゲッ!?
目が合っちまったァッ!
てか先生まだいたんかいッ!?
なんとまだ先生がいたみたいで偶然アタシは先生と目があってしまった……
見るんじゃなかった…
どうしよォッ!?
コツコツ……
こっちに向かってくる足音が聞こえた
それと同時にアタシの顔からは冷や汗が流れる
ゲッ!来るッ!
こっちに来る!!
どうしよ!?
「おい、誰かいるんの?」
来っちゃたよ、おい…
アタシの想いは届かずあえなく先生に見付かってしまった
「アタシは何も見てないですよ!先生と生徒があんな事してだなんて知らないです!」
「そんな事聞いてないよ。それに…あんな事ッて…見てないのに何で分かるんの?」
………………
アタシの馬鹿ァ―――――――――ッ!
アタシはあまりに焦っていたのか喋らなくてもいい事も喋ってしまった
「それは…その……超能力?」
とりあえずその場を誤魔化さなくてはならない為、適当に嘘をついてみた
「何で疑問形?それに君出来るの?」
はい……やっぱり嘘だとバレました……
でもこんなとこでひくわけにもいかないし……
「ぅ゛…人に出来ない事はない」
「今『ぅ゛…』って言わなかったか?図星だろ?」
「気のせいだ」
「………」
「………」
お互いに沈黙が続く……
でも沈黙を破るように先生から話しかけてきた
「見ただろ?」
「見てねぇ」
「嘘だろ?」
「嘘じゃねぇ」
「見ただろ?」
「見てねぇ」
「見てねぇだろ?」
「見たッつーの!」
途中から同じ質問の繰り返しだったので、ついムキになって逆の答えを言ってしまった
それが間違いだった……
「………やっぱ見たんだ…」
「…………ッ!?」
しまったァッ!?
ていうか今この人……
笑顔がかなり怖かったぞ?
「あ~…まさか人がいるとは思わなかったよ」
先生は目線を空にうつすと独り言のように喋りだした
そりゃぁこっちの台詞だッ!
とそう叫びたかった……
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