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夜になり、集落では宴が始まっていた。
集落の部族達は酒を酌み交わしご馳走を食べる。
「ハハハ…やっぱりカスミが作る料理は最高じゃな……」
「本当ですね…どれも美味しいですよ……」
カスミが作る料理は評判で、集落の皆が必ず宴になると食べたい料理として絶賛されていた。
「皆有難う…でもお世辞言っても何も出ないわよ……」
カスミが少し照れ臭そうに言うと、皆一斉に笑い盛り上がった。
「そう言えば…青龍の奴はどうしたんじゃ?」
君長が青龍の姿が無い事に気付き、皆も回りを見渡す。
だが青龍は何処にも居なかった。
「多分…自分の小屋にでも居るかもしれん……
カスミちょっと呼んでこい……」
「うん解った……」
そう言うとカスミは青龍が居る小屋に半ば嬉しそうに走っていった。
それを観てか、青年達が少し淋しそうにカスミを見送る。
「やっぱり…カスミは青龍の事が好きなんだな……」
「おい! いきなり何を言いだすんだ……
まだ解らないだろう俺だって……」
「ハッハッハッ…カスミは誰にも渡さん……
例え青龍でも同じ事じゃ……」
君長がカスミの話しをしていると、部族の一人が話しに加わり条件を話し始めた。
「そうでしたね…確か条件が君長を負かせる事が出来た男性でしたね……」
「その通りじゃ! いつでも受けて立つぞ! ハッハッハッ……」
「ハハッ…絶対無理でしょう……」
君長が高笑いをしている横で、青年達はがっくりと肩を落としていた。
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