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その頃、余りにも外が騒がしい事に、宿屋から一人の男が険しい表情で出てきた。
「ったく…うるせーな…折角寝てるんだ静かにしろや!」
その男は出てくる也、盗賊達に怒鳴り散らした。
「あぁ! 誰だお前はー!」
「俺か…俺は飛燕だ…何か文句でもあるのか?
こっちは安眠を妨害されてるんだ…騒ぐなら余所でやれ……」
男の名は飛燕(ひえん)黒髪の短髪で、身長は高くは無いが細身でスラッとした体型である。
腰には自慢の刀を携えていた。
「おぉ…アンタすまない助けてくれ…娘が…娘が盗賊に……」
村人が、宿屋から出てきた飛燕に泣き付いて助けを求める。
「うーん…そんな事言われてもね……」
飛燕は無理矢理起こされた事により、少し不機嫌だが村人の頼みを聞いて考える。
「何だーテメエ! 俺等とやろうってのか…命知らずも程々にしとけよ……」
盗賊の一人が、飛燕に威嚇しながらゆっくりと歩み寄る。
「はぁ? 誰がお前等みたいな雑魚と喧嘩しなきゃいけないんだよ……
俺は眠いんだ! それとオマエ息が臭い近寄るな……」
「キサマ! 俺の息が臭いだと舐めているのか!」
「はぁ? 何でオマエみたいな汚い奴を舐めるんだよ……
俺はそんな趣味持ってない…早く帰れ不愉快だ……」
飛燕はまるでやる気が無いと言うより、盗賊達をわざと挑発していた。
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